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「大地の子」

最近、中国のこと、共産党組織のこと、満州について勉強したいと思い、様々な本や動画を観ています。

 

中国や満州の勉強する中で、発見や新たな日本や中国との出会いも多く、その中で、最近NHKオンデマンドで「大地の子」を観てとても感動しました。

太平洋戦争の敗戦により満州で残留孤児となった主人公の話ですが、原作の山崎豊子さんが8年の歳月をかけた超大作と言われ、ドラマ化するにあたっても、中国側とじっくり検討を重ねて作られたそうです。取材を開始した1984年当時、中国での取材は非常に難しかったが、胡耀邦総書記(当時)の後押しがあったからこそ、やり遂げることができたといわれています。

 

 

 

作品の執筆にあたって取材したほとんどの孤児が生活のために働き詰めで、ろくに学校にも行けなかった中、たったひとりだけ大学まで進学させてもらえた孤児がいた。その孤児の逸話を聞き、小説の主人公の姿が思い浮かんだそうです。

主人公の生きた過程を通して、戦争とは何か、国家とは何か、組織とは何か、親子とは家族とは何か、日中関係をとても考えさせられる話でした。

また、戦後から文化大革命の荒波を迎える中国、そして日本の高度成長、日中国交正常化の流れの中、日本人と中国人の狭間で揺れる主人公の心、一切自らの意思決定ができない、国家や組織の不条理さや残酷さも感じました。

 

そんな中、最後にふたりの父の間で揺れた主人公が出した答えに感動しました。

 

今、ロシアウクライナの情勢から、自由主義社会主義イデオロギーの争いは一層激しくなっています。

日本の終戦からイデオロギーの争いは変わらない状況です。

急激な進化を遂げている中国と日本がどのような関係をつくっていく必要があるかを日本人一人ひとりが考えていく必要がある時だと感じています。

今後の日中、アジア関係において、人と人の尊厳関係が生み出す可能性も感じるドラマでした。